2017年8月3日

◆当法人について

 
 
 

 
 

公益事業を行う非営利団体として

 
一般社団法人 日本スポーツフィッシング振興会は、豊かな釣り場環境を守り、スポーツフィッシングの普及を図るべく、有志のアングラーによって設立された非営利団体です。

周知のように、現在我が国の釣り場は次々と減少の一途をたどっています。
子供の頃に釣りを覚えた場所が、釣り禁止になってしまった・・・という経験をお持ちの方も少なくないでしょう。
身近な堤防や漁港が閉鎖されたといった話も、枚挙に暇がないのではないかと思います。

しかし一方で海外の事情を伝聞しますと、アメリカでは国や州などの行政レベルでボートスロープや駐車場などの整備が行われていると聞きます。
いわば国を挙げて、観光資源としての釣りをバックアップしている形・・・。
我々日本のアングラーからすれば、あまりにも理想的な環境のように映ります。

(Everglades National Park Floridaより)

そこで日本においても、公的機関に釣り場の整備を期待する声が以前より上がっていた事と思います。
しかし過去の歴史を振り返る限りでは、残念ながら我が国の文化ではそれを期待するのは難しいように感じられます。
そうであれば行政に代わって、フィールド整備を行う公益団体があれば良いのではないか?
そこで我々は、「非営利型一般社団法人」という形態に注目致しました。

(内閣府HPより)

これは公的機関の手が届かない公益活動を、民間部門によって補てんする目的でつくられた制度との事。
つまりNPO法人などと同様に、会員が利益を得る事が出来ない非営利法人となっております。
現実には行政等との話し合いを進める際、個人レベルでは難しいと考えられるため、有志と共に正式な法人を設立した次第です。

これによって自由に釣りの出来る釣り場を守り、さらには新たなフィールドの創生に取り組みたいと考えています。
行政や地元の方々と話し合いを行い、釣り禁止などで利用の出来ないフィールドを開放し、釣りの出来る場所を創り出していく。
そしていつまでも釣りが続けられるよう、迷惑駐車やゴミ・乱獲等の問題に対処し、フィールドを保全・育成する活動に取り組んでいく所存です。

 

場所・人・地域

 
釣りはかつて、「潜在人口3000万人」と呼ばれた巨大レジャー産業でした。
しかし90年代をピークに減り続け、現在では700万人程度まで減少。
市場規模も縮小し、今ではピーク時の1/3程度となっております。

それを反映してか、「釣りをする子供の姿がめっきり見られなくなった」という声を耳にする機会が増えたように感じます。
そこで釣り人の減少と高齢化に一石を投じようと、若手アングラーをサポートする活動に取り組んで参りました。
その中で気づかされたのは、やはり手軽に釣りの出来る「場所」、そして釣りに触れる「機会」の少なさでした。

自分が子供の頃を振り返ってみると、多くの場所で自由に釣りが出来た上、周りに釣りをする大人も多かったように記憶しています。
しかし今や手近な場所は軒並み釣り禁止、そして釣りを教えてもらう繋がりもない・・・。
2~30年前に比べて、釣りを始めるハードルが飛躍的に上がってしまっていると感じたのです。

ですからまずは、大手を振って釣りの出来るフィールドを増やす事。
そして釣り仲間と知り合い、その魅力を体験できるイベントを開く事。
広い意味で釣りに触れられる「場」を作り出し、「人」の輪を広げていく事が、釣り人気復活の鍵ではないかと我々は考えています。

そしてそのためには、釣りをしない一般の地域住民の方々の理解を得る事が極めて重要だと感じています。
これまで許されていた場所が釣り禁止になってきたのは、迷惑駐車やゴミ・騒音といった、釣り人による迷惑行為が原因になってきた事は否定できないでしょう。
釣り場を守るためには清掃活動や駐車場の整備、地元に迷惑を掛けないためのルール作りがどうしても必要だと考えているのです。

その上で、釣りによって地域経済を潤す仕組み作りをする事も決定的に大切でしょう。
富士五湖や野尻湖、亀山湖、池原ダム等、釣り人の消費が地域経済に上手く貢献する事で、地域でアングラーが歓迎される土壌が育まれているフィールドが見られます。
こうした先例に学び、遊漁券やレンタルボート、宿泊施設や飲食店などの利用を通して、地域の経済に貢献するWIN-WINの関係を目指すべきだと我々は考えております。

釣りを愉しめる「場所」、釣りの魅力を伝える「人」、そして釣り場のある「地域」の理解・・・。
この3本柱を軸として、我々はこれからの日本のフィッシング・シーンの盛り上げに貢献したいと考えています。
その難しさは生半可なものでは無いでしょうし、多くの先達から「無理」というご忠告も頂きました。
しかし今我々アングラーが立ち上がらなければ、他の誰かに期待するのは不可能なのではないでしょうか。

先人たちが紡いできた素晴らしい釣り文化を守り、次世代に豊かなフィールドを残す事。
そしてアングラーが地域に歓迎され、大手を振って心から釣りを楽しめる未来を夢見て・・・。
長い長い道のりの第一歩として、我々は具体的なプロジェクトを実行に移していきたいと考えています。

今はまだ、資金も人材も実績も無い、釣り人の”想い“だけで成り立った組織です。
ここから一歩づつでも理想の実現に近づけるよう、1人でも多くの方に力を貸して頂きたいと考えています。
今後、活動内容や協力のお願いをシェアしていきたいと考えておりますので、なにとぞ暖かいご支援のほどよろしくお願いいたします。